この記事では自分が3ヶ月間で、高額商材(120万円)の教育スクールを成約率54%、合計3720万円販売した実体験から、お伝えをさせて頂きます。営業ではクロージングが不可欠で、その為にできるテクニックと大切な心構えのポイントをご紹介させて頂きます。
セールス(営業)の本質とは?
こんにちは、ゆうた(@yuta_story)です。今回はクロージングで成約率を高める為のコツをお伝えします。
セールスの本質は問題解決
私は23歳で個人事業主となり、25歳で会社を法人化してきました。営業は、単に物売りだけではなく、人間関係でも「自分を売る」事に繋がってきますので、多くの場面でセールスの大切さを実感しています。営業とは「問題解決」だと定義しています。
逆に言うと、お客様の「問題」が把握できていなかったら、セールスマンとしてNGです。「本当に目の前の人が困っている事・求めている事は何か」と言うことを、理解した上で、営業を行うことが大前提と言えます。
クロージングとは?
クロージングはストーリーの始まり
クロージングを辞書的な意味で捉えると「締めくくり=契約の締結」と定義されます。クロージングは言葉だけで考えると、「営業の終わり」のように考えがちですが、むしろ「始まり」と認識して見ましょう。
お客様が商品(サービス購入後)に「どんな生活が待っているのか」「問題が解決できたらどのような喜びがあるのか」と行った、購入後の先の世界を一緒に描くことそのものが「クロージング」の本質と言えるでしょう。
クロージングは相手の為
クロージングはあたかも「自分の売上・成果に繋がるから」なんて気持ちでいると、相手に完全に伝わるものです。人は「決断を先延ばし」にしてしまう生き物です。折角の1-2時間の「選択の機会」では、「買う」にしろ「買わない」にしろ選択肢をお客様に持ち帰らせてしまうのはよくありません。
選択肢を一緒にその場で考えてあげましょう。「お客様の負担を少しでも軽くしてあげたい」と言う心の前提が、目の前に人にきっと伝わるものです。

クロージングで成約率を高める為のポイント
クロージングの成約率を高めるためには、クロージングの事前準備が8割です。クロージングの前からクロージングがすでに始まっているのだという意識で、以下ポイントにまとめます。
ポイント1:クロージングまでの時間の使い方で成約率が変わる

上記のように5つの要素の全体像と捉えることで、的外れな時間になることはなくなるでしょう。クロージングが大切と言うよりは「クロージングまでの時間の使い方」で、成約率が異なります。重要性を数値化すると、信頼構築と「カウンセリングで「70%」、プレゼンテーションで「20%」、クロージングとフォローで「10%」という重要比率と考えましょう。
ポイント2:商談の時間の使い方は4:6
「営業」と聞くと「どれだけうまく話すか」と言う意識になりがちですが、「どれだけ真剣に相手の話しを聞くことができたか」にまず意識を置いてみましょう。意識としては「自分=4・お客様=6」程度の、時間の使い方を意識してみましょう。それでも「自分」「会社」「商品」の説明で、どうしても話しが長くなってしまうものです。
あくまでもセールスの主役は「お客様」と言う意識で、1-2時間の商談の時間にしてみましょう。そうすると飛躍的にお客様の印象は変わるものです。
ポイント3:徹底的なヒアリング
クロージングの大前提、大切なことは「お客様との信頼構築」です。信頼関係の構築の土台となるのは「傾聴」となります。「この人自分のことに興味を持ってくれていない..」そう思う人から商品を購入しようと思えるでしょうか。それはNGですよね。「この人は真剣に自分の話しを聞いてくれる」という意識になって、お客様は段々と心を開いてくれるものです。
セールスとは「問題解決」だと伝えましたが、お客様の「問題」を丁寧にヒアリングができて初めて、「商品のご提案」ができるわけですから「カウンセリング」にはとても重点を置いてセールスをしましょう。
ポイント4:仮クロージングを行う
ヒアリングをして「○○という問題点がある」と言うことが、お客様と一緒に分かったとします。そこでプレゼンテーションの前に「先にYES」をもらって置くことがポイントとなります。
「もし○○と言うお悩みを、自社の○○で最短でスムーズに解決できるとしたらご興味ございますか?」
「興味がるか」「興味がないか」と聞かれれば、まだ購入してくださいと促しているわけではないですので、ほとんどの場合は「はい」と答えてくれるでしょう。
そして、もう一歩踏み出してご質問(仮クロージング)します。
「ありがとうございます。今からご説明をさせて頂く○○と言うサービスを聞いて頂きまして、価値があると思って頂けたらご購入もご検討して頂いて宜しいでしょうか?」
と「プレゼンテーション」の前にご丁寧にお聞きしてみます。少し先の未来に対しては、人は「はい」と答えてしまうものです。「はい」と答えたからには、より真剣にプレゼンテーションを聞いてくれるものですし「決断をするつもり」で話しを聞いてくれます。この仮クロージングを適切に盛り込むことによって、よりスムーズに決断を促すことができるでしょう。

ポイント5:プレゼンテーションは「プレゼント」
プレゼンテーションの語源は「プレゼント(贈り物)」からきています。どうでしょうか、好きな人に贈り物をする際に「相手がどうやったら喜んでくれるだろうか」と真剣に考えてしまうものですよね。
プレゼンテーションで注意すべきは「一般論」です。目の前の方がより分かりやすいように、自分毎と捉えて話しを聞いてくれるように「お客様」に合わせた、プレゼンテーションに変えましょう。変えるといっても、全体の流れはそのままでも「例え話」などを、お客様の「好きなこと」「興味のあること」に置き換えてみるだけで、大分印象がよくなるでしょう。
20〜30分間のプレゼンテーションで「最高の贈り物」を届けるつもりで、商品メッセージを届けてみましょう。
ポイント6:反論を先に消して置く
セールスにおける代表的な4つの反論としては、
お金がない
時間がない
誰かに相談をしたい
先延ばしにする
と言う4つでしょう。プレゼンテーションの中で、この4つの要素を逆算して先方にお伝えしておくのです。
「お金は先行投資をする事で、リターンが大きくあるものですよね?」「優秀な方ほど時間をうまく作られますよね?」「優秀な方ほどご自身で最後は決断をされますよね?」「すぐに決断をされる方はその道で成功される方が多いですよね?」
以上のように、相手に同意を求める質問を散りばめて、相手が「はい」とお返事してくれれば、先に反論処理をしていることになります。もちろん「お客様が気持ちの良い時間」にすることが大前提ですので、聞きすぎ、無理な聞き方はNGです。反論処理話法はスキルの1つとして覚えておいてもらえればと思います。
ポイント7:クロージングは一言で良い
プレゼンテーションが終わった後、いよいよ本当のクロージングです。ここでは自然に「どうなさいますか?」の1言で十分でしょう。
仮クロージングを行っていれば、相手は察しているのですから「買ってください」「購入しますか」と直接的な言葉を言わなくとも、伝わっているものです。もし鈍感なお客様がいたら「購入でよろしいですか?」と一言だけ、添えれば良いでしょう。
ポイント8:「検討」を持ち帰らせない
特に多いのが「検討します」「少し考えてみます」と言う反論です。ここで無理にまた商品説明をしたり、押し売りしてしまうと取り帰りのつかない事になりかねません。
「検討します」と言われたら、「ありがとうございます。すぐにはご決断できないものですよね。ちなみに、例えばですが、どんな事をご検討できたら良さそうでしょうか?」と質問をしてみましょう。大事なのは「承認」してからの質問です。相手の状況をきちんと、共感・承認することがポイントです。
すると真剣に購入を悩んでいただいている方では「ちょっとお金の件で..」「家族に同意を得ないと…」と言うように本音を話してくれる可能性があります。ちなみに、1-2回質問しても具体的な話しが出てこない場合は、「本当に断りたい方なんだ」ときちんと受け止めましょう。
そして検討の内容を言ってくれたのであれば「ご家族にはどのようにご相談されますか?」とその場で真剣にお聞きしてみます。もしそのご相談をされたら「奥様(旦那様)はどんな風に仰ると思いますか?」と、その場で「相談の疑似体験」を一緒に行う事がベストです。「相談します」をお客様1人の宿題にせず、一緒に考えることがポイントです。このように「反論」そのものを噛み砕いて、一緒に寄り添って解決する事を心掛けましょう。

ポイント9:「無言の間」を大切にする
最後の最後、真剣にお客様が考える瞬間があります。「無言の間」になる可能性があります。その時には、無言を避けようとあれこれ話すのはNGです。「本当に購入して良いのだろうか」「購入したらどうなるのだろうか」とお客様ご自身で、頭の中で考えているのです。だいたい10秒でも、30秒程度でも、プレッシャーを与えず「無言」を承認してみましょう。
ポイント10:クロージングはストーリーの始まり
最後の最後「お客様」が「本当にどうしたら良いでしょうか..」と決断をセールスマンに促すお客様もいらっしゃいます。いくら無言でご自身で考えても、決断ができない方もいらっしゃいます。その時「最後の最後に自信を持って背中を安心して押してあげるのがセールスマン」です。
大切なことは商品(サービス)購入後の「ワクワクしたイメージをどれだけ頭の中で描いていただけるか」です。お客様の抱えていらっしゃる真剣な悩みが、解決されて、より人生が豊かになるような未来のストーリーを一緒に想像します。
「もし商品を購入されたら、休日の過ごし方はどのように変わりそうでしょうか?」「1年後はどのようになっているでしょうか?」「今までストレスだった○○から解消されたら、どのような気持ちで明日から過ごせそうでしょうか?」等。
ご自身の商品(サービス)が提供できる理想の未来像をお客様に質問してみましょう。相手がふとした瞬間で、笑顔が見えたり、楽しそうに語っていただけるのであれば、有効な質問ができたと言うことになります。そのタイミングで、
「もしそのような理想の状態に慣れるとしたら、どうでしょうか。ご決断なさいますか?」
と一言丁寧に聞いてみましょう。お客様も自信を持って、商品購入ができる可能性が高まります。相手の為を思って、商品購入後のストーリーを一緒に描いてみましょう。
「契約」後に気を抜かない
以上、クロージングの成約率を高めるために大切な10のポイントをお伝えしました。
契約はスムーズに
相手が「購入します」とご決断をいただければ、その後はスムーズに「契約書の記入」「お支払い」を進めていきましょう。ここでもたつくと、とても印象が悪いです。また不信感を与えないために「キャンセルポリシー」「クーリングオフ」「規約事項の説明」等もきちんと相手に伝えて、余計なことは話さずに淡々とこなしましょう。
「時間がなくなった」「本当に検討をする場合」はアポの日を確定させる
セールス現場ではお客様によっては「時間がなくなってしまった…」「真剣にもう一度考えます…」その日で「YES」「NO」のお返事を頂けないケースがあります。
その場合でも「それでは30分で構いませんので、再度お返事を聞かせて頂くお時間を決めさせて頂いてよろしいでしょうか?」とアポの日程を確実に決めましょう。「来週の○月○日どこどこで」と、具体的に決めるまでが今日の仕事です。日程を曖昧にしない事、また、その日「お返事を頂く」と言う目的もきちんと相手に伝えたうえで、その場を後にしましょう。
フォローメール・フォロー電話
当日中・次の日・商品が届く頃等に「感謝」の気持ちと、そして商品へのご質問・疑問点が改めてないかの「アフターケア」をしてみましょう。相手の印象がグッと全く違うものです。きちんと「商品購入後も自分をみてくれている」と安心感を与えることができるでしょう。
まとめ
「クロージング」は言葉1つで完結できるものでなく、セールス全体の流れがきちんと繋がってはじめて理想的なクロージングになると言えます。「締結する」という辞書的な意味から、お客様の「未来の始まり」のような気持ちで、お客様と真剣に向き合うことができたら、きっと成約率にもプラスの影響が及びます。
目の前の相手の為を考えられると、クロージングは楽しいものです。ぜひセールス現場で楽しんで、クロージングを行ってみてください。最後まで読んで頂きまして、ありがとうございます!