「物語1つでビジネスは加速する」これは私が8年間のビジネス経験をしてきた中で行き着いた1つの答えです。物語を生かしてビジネスブランディング、いわゆる「ストーリー・ブランディング」について、その概要・効果・打ち出す為に逃してはいけないポイントをお伝えします。

なぜストーリー・ブランディングに興味を持った?

チビた
どうして兄貴(将来の自分)は「ストーリー」に興味を?
兄貴
実は興味を持ったのは「父」の影響そのものなんだ。

きっかけは「父親」

私の父は経営コンサルタントとして、今では25年間経営者をしています。父の家庭は東京都の日暮里にあり、洋服の仕立て屋を自営業で営んでいて、当時は貧乏な家庭でした。そんな父は、祖父が亡くなるまで「実の親父を尊敬できていなかった」と言います。祖父が無くなった後に、実は祖父は「黙って親戚中に頭を下げて、父の慶應大学の学費を工面してくれていた」事を父は知りました。

それから「どんな人にも言えない苦労を抱えている。そして大切な人が必ず応援してくれている。」という想いがあり、経営コンサルタントの道で「教育」に特化してBtoBのビジネス支援に取り組んできました。

私が幼少期からとにかく人に興味を示す達人だった父。喫茶店の店員さん・駅員さん・清掃員さん・タクシー運転手さんなど、少しでも時間があれば「こんにちは」と声をかけて、「どんな想いでこのお仕事をされているんですか?」なんて、暑苦しく人に質問をするような親父でした。

そんな父の姿を小さい頃から見ていて、自然に「人のストーリー」に興味を持ったのです。そして何より、質問された人は、笑顔で楽しそうに自分の事を語っている姿を何度も目の当たりにしました。その時に「人は自分の物語を話すのが好きなんだ。そして、人の話しを真剣に聞ける事は大切な事なんだ。」と父から気付かせてもらったのです。

心理学を基にした人材教育会社へ

幼少期からの経験が自分のエネルギーの源となり、「人」に興味を持つようになりました。「人の教育」に携わる仕事がしたいと思って、就職では人材教育のコンサルティング会社に入社をしたのです。その後、25歳の時には「社会に対してもっと影響力を発信したい」と思い、株式会社を設立して、個人で闘う道を選択しました。

そこからは「ストーリー」と言えども「発信力」を学ばないといけないと思い、WEBマーケティングの事業に力を注いできました。そして2018年頃より、いよいよ自分なりの思う「ストーリー・ブランディング」を形にしていこうと、教育ビジネスにも取り組み始めています。

企画会議

ストーリー・ブランディングとはなに?

そもそもブランディングとは?

そもそもブランディングとは「顧客から選ばれる仕組み作り」と定義ができますが、2019年現在、その手法は多岐に渡ります。

ブランディングはマーケティングの歴史にも紐づくのですが、「マーケティング」の歴史を遡ると、1905年に初めて言葉が使われた事が分かっています。その背景として米国・英国等の国家の急成長から、物の大量生産が活発に行われる事で、民間企業は「選んでもらう為の施策」を独自に色々と考える必要がありました。この「選んでもらう為の行為」そのものが、ブランディングになるのです。

ストーリー・ブランディングとは?

では「ストーリー・ブランディング」とは何でしょうか。一言で『企業・個人・サービスに「独自の物語」を盛り込んだブランディング手法』です。物が溢れ、流通経路が多岐に渡ってきた中で、「独自性」がより求められる時代になってきました。独自性の本質は、この「ストーリー」にあるのです。

良いものが溢れると「なぜそのサービスができたのか」「どんな想いでこの商品は作られたのか」という「感情」で物を購入する人が増えてきたのです。

万年筆と手帳

なぜ「物語」が必要なの?

差別化ができない

「商品」「サービス」「人」で合っても、必ず物語は存在します。もし何の物語も語らず「商品」をそのまま提供していたら、他との違いは何で測られるでしょうか。「商品のスペック」「値段」「接客態度」など代表的にはこの3つでしょう。スペック重視で価格競争の波に巻き込まれる事となります。

ここに「物語」を盛り込む事で、その商品にしかない「独自性」が加わり「差別化」に繋がるのです。あの日本一の湘南美容外科クリニックの統括院長である相川氏。2018年には全国77院、ドクターは250名、来院患者は年間180万人にも及ぶ大成功を納めています。実は幼少期「身長が低かった」事のコンプレックスがあり、身体のコンプレックスを助ける仕事がしたいと、美容クリニックの事業に乗り出したというストーリーがあります。

そのストーリーが本人の志を高くし、また事業の成長に繋がっている事は間違い無いでしょう。

社員→商品→お客様に物語が浸透する

私が新卒で入社をさせて頂いた人材教育会社では、まさに経営者のストーリーがダイレクトに社員全員に浸透している素晴らしい会社でした。経営者が「なぜこの会社を設立したのか」「どんな背景で事業をスタートさせたのか」というストーリーを常に語り、言語化、見える化する事で社員全員が「会社にいる意味」「事業を発展させる意味」を理解できるのです。

これがいわゆる「理念経営」と言えるでしょう。世界的金融会社のプルデンシャル生命保険でも、創業者の「家族愛・人間愛」という創業当時からの理念と想いが、ストーリーとなって、今でも受け継がれています。しかもその想いから商品化されて、商品を伝える1人1人のセールスマンの現場にまで、行き届いているのです。

「ストーリー」が持つ力は、単なる「紙に書いた言葉」ではなくて、社員、商品、お客様にまで届くだけの力を持った不可欠な要素なのです。会社の存続、自社の採用、商品開発、顧客満足まで、全ステージでこの「ストーリー」が明確であるか、そうで無いかでは結果が違ってくるのです。

顧客へのプレゼンテーション

ストーリーがビジネスにもたらす5つの効果

感情移入

日本ブランド戦略研究所が2011年に実施した「創業時のストーリーが企業イメージに与える影響」調査では、消費者が企業の創業時のエピソードを知ることで、以下のような企業イメージの変化があったという結果が出ています。

「好感が増した」(30%)・「信頼感が増した」(20%)・「この企業の夢や願いを感じた」(35%)・「親しみが増した」(47%)・「技術力を感じた」(35%)・「この企業の理念を感じた」(29%)

このように人が「物語」を聞くのと、聞かないのとでは、感情への訴えかけで大きなアドバンテージがある事が分かっています。

記憶の定着

どうでしょうかみなさん?「鶴の恩返し」「かさ地蔵」「かぐや姫」「浦島太郎」など、これらの物語はタイトルを聞くだけでも思い出すものでは無いでしょうか。小さい頃に、お母さんが絵本で読み聞かせをしてくれたかもしれません。また幼稚園や学校で取り上げられた事があるかもしれません。

物語は記憶に定着するのです。文字記憶よりイメージ記憶の方が覚えやすく、記憶の定着に残りやすいのです。ですので物語を言語化して、聞いた人がありありとイメージできる状態にまで、ストーリーを明確にしていく事ができれば、相手の脳に残りやすくなるのです。

口コミの誘発

美味しいラーメン屋さんがあったとします。もちろん「インスタ映え」と言われるような、一風変わったラーメンだけでも注目をされる事があるでしょう。そこに「物語」が加わる事で、つい人に伝えたくなるような心理が働くものです。

「うんちく」「豆知識」「人の知らない事」などを知れたら、つい話してしまう事がないでしょうか。「実は○○のラーメン店」「店主が○○」「スープが○○」など、そのお店にしかない「物語」が見える事で、さらに人は「このお店」を伝えたくなるものです。

広告感覚を消す

例えば「ソフトバンク」や「au」など、完全にキャラクター化して毎回CMが放送されています。物語を通じて、自社のセールスや宣伝をキャラクターにさせているのです。

ただ「この商品がオススメです」と伝えるのと、「こういった背景で出来上がったこの商品で、私も救われました。」など、商品開発のストーリーを盛り込む事で、伝えるのとでは相手の受け取り方が違います。「お客様の声」はまさに、お客様のビフォー・アフターを物語で伝える効果があるので、消費者は嫌らしい売り込みに感じない効果があるのです。

価格競争に巻き込まれない

全ての事例に当てはまるわけではありませんが、独自性を追求していけばいくほど他者との比較に巻き込まれず、独壇場でビジネスを展開する事が可能になります。Apple社のスティーブ・ジョブズは、経営者本人のストーリーをもろに企業に投影したケースと言って良いでしょう。

Apple社は独壇場でのビジネスを展開に成功していて、唯一無二のマーケットを自ら作り出しています。iPhone1台が高い、安いもapple社が決めた価格で市場が動く訳です。

アイフォーン

【実践編】実際にブランディングを取り入れる為のステップ

では一体、どのようにストーリーを用いて、ブランディングをしていくのでしょうか。ステップ毎に、ダイジェストでお伝えをさせて頂きます。

STEP1:「企業」「人」「サービス」の背景を見える化する

もし「広めたい商品」がある場合「なぜこの商品が生まれたのか」という背景を人に端的に伝わるよう物語化する必要があります。そして商品からさらに、なぜその事業が生まれたのか、なぜその会社が生まれたのか、なぜこの経営者はこの会社を作ったのか、ここまで物語を見える化していく必要があります。

「商品を企画する人→商品を製造する人→商品を流通する人→商品を販売する人→商品を受け取る消費者」まで、一貫してストーリーが正しい伝言ゲームのように伝わったら、「ストーリー・ブランディング」は成功と言えます。

STEP2:「過去・現在・未来」の3つのステージを描く

物語を見える化するにあたって、3つのステージで考える必要があります。

過去

なぜこの商品を作ろうと思ったのか、なぜこの商品を広めたいと思ったのか。

未来

この商品が広まる事で、こんな問題解決の一助になりたい。こんな社会を実現したい。

現在

だからこそ、今この商品の普及に努めている。

このように「サービス」や「商品」1つをとっても「過去・現在・未来」が一貫して串刺しのように繋がっているよう、言語化をしてく必要があります。どこの切り口で、質問があっても、一貫して答えられるようにする必要があります。

STEP3:「市場のニーズ」と「ストーリー」を融合させる

「物語」が単に「自己満足」で終わっては、全くビジネスに繋がりません。「共感者」がいて、初めて物語は輝き始めます。世の中に同じ悩みを抱えている人、そのストーリーを聞いて「自分の事だと」響く人はどこにいるのでしょうか。

世の中の問題をセグメンテーションして、自社(自分)のサービスが響く市場を分析します。市場があって、初めてビジネスになりますので「世の中に本当に求められているものか」を大前提、考える必要があります。市場のニーズと、物語が一致して、消費者に届きますので、市場調査(セグメンテーション)を行います。

ビジネスのマーケティング

STEP4:ポジショニング戦略

ポジショニング戦略とは「他社と異なる独自の役割を確立する事」ですが、物語を用いる事でここの差別化を尖らせていくのです。市場を定めても、競合との争いに巻き込まれる可能性があります。競合他社と違う、明確なポジショニングは何かを更に追求しましょう。

物語を用いて「全く同じ悩みを抱えている人の役に立ちたい」「同じ悩みの人を応援したい」という区別が明確に定まり、同じ人々により突き刺さりやすくなります。市場で隙間となるポジショニングを狙い、かつ確立して「誰に届けたいストーリーなのか」を明確に定める事で、マーケットの位置付けを決定していきます。

STEP5:キャッチコピー化で売上が変わる

自社(自分)・商品・サービスの「過去・現在・未来」の物語が言語化できて、市場が明確に定まったら、その層にドンピシャに響くキャッチコピーに命を注ぎましょう。キャッチコピー1言で「誰のどんな悩みを解決できるのか」を表す必要があります。

私の場合「20-30代のサラリーマンが1年で自分の物語をブランディング化して、月収100万円を達成させるストーリー・ブランディング・講座(SBP)」など。もちろん企業の商品・サービス1つを取っても、同じです。私の場合、このキャッチコピーは10数名の先輩経営者の方などに、実際に聞いてもらい「どんな印象を受けるのか」フォードバックを頂いて、試行錯誤をしました。届けたい層の人たちから本音でフィードバックをもらう事は、必要なステップと言えます。

まとめ

今回はストーリー・ブランディングについて、お伝えをさせて頂きました。「物語」がもつ5つの効果を知って頂けたかと思います。ビジネスの全てのカテゴリーで当てはまる「ストーリー」という考え方ですが、改めて商品やサービスを全く違うものに生まれ変わらせる事ができるかもしれません。

今一度「物語」が言語化できているのか、浸透できているのかをお考え頂くキッカケになりましたら幸いです。最後まで読んで頂きましてありがとうございます。